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| 育毛 はえる時代になってきた(元気からだ) |
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医薬品の「発毛剤」が一昨年に売り出され、大ヒット。いまも好調な売れ行きは、いかに髪が気になる男性が多いかを示しています。米国では、飲む発毛薬も認可されました。効き目と限界を専門家にたずねました。(中村通子)
毛根の活動にはサイクルがある。盛んに細胞分裂して毛を作る「成長期」、毛の成長が止まる「退行期」、細胞分裂を休む「休止期」、毛が抜ける「脱毛期」をくりかえす=図。 「男性型脱毛の人の毛根は、休止期が長く、成長期が短い。毛が十分に太く長く育つ前に抜けてしまい、新たに生えてくる本数が減るのです」 そう説明するのは大阪大学の板見智・助教授(皮膚科)だ。休みが長い毛根をたたき起こし、正常に働かせることができれば、問題は解決するはずだ。 大正製薬は一昨年六月、医薬品の発毛剤「リアップ」を発売した。今年度末までに五百五十億円の売り上げを見込む。 ○毛根を起こす 成分のミノキシジルには、休んでいる毛根を起こす働きがある。 一九八八年に認可した米国の報告でも、日本で約二百五十人を対象にした治験でも、約三割に他人が見ても分かる発毛があったとされている。 リアップを使っている人たちを調べた大正製薬は「脱毛が止まったり、産毛が生えたりといった改善も含めれば、七割以上に効果があった」という。 ○てっぺんから 板見さんによれば、ミノキシジルをつけると、毛根はプロスタグランジンという物質を盛んに作るようになる。この物質が「毛乳頭細胞」を刺激する→毛を作る「毛母細胞」を活性化する物質が出る→毛がどんどん生えるという仕組みだ。 「日本人は頭のてっぺんから薄くなるタイプが多いが、このタイプには特に効きやすいようです」。反対に、効きにくいタイプもあるという=イラスト。 ただし、効果が表れるまでに、かなり時間がかかる。効能書きには「六カ月使ってください」と書いてある。 兵庫県内の大学教員、カズトシさん(四六)は抜け毛が増え始めた七年前、米国でミノキシジル製剤を半年分、六本買いこんだ。二カ月、朝晩せっせとつけたが、なかなか生えてこない。「面倒になってね。やめてしまった。残りの四本はどこにいっちゃったかな」 石原秀一・メディカル発毛研究会理事長も「六カ月間、治療を続けるのは大変な根気が必要です」と話す。東京都内のクリニックで、独自に開発した栄養剤とミノキシジルを組み合わせて治療している。 やって来る人たちの半分は数カ月で治療に飽きてくる。そこで、診察のたびに頭の写真を撮って見せる。 「自分で毎日見ていると、変化に気づきにくい。間を置いて写真を比べ、『あっ増えている!』と実感すれば、やる気がでてきます」。市販薬を使う人は、家族に撮影してもらうのもいいだろう。 ○米国では新薬 米国では、毛根の成長期を長くする飲み薬が九七年に認可された。フィナステライドという成分が、毛根を休止期に導く物質を体内で作らせないようにする。発毛作用が違うので、ミノキシジルが効かない人にも効く可能性がある。 しかし、性機能障害などの副作用も報告されている。発売を検討している万有製薬によると、国内での治験の見通しはまだ立っていない。石原さんは「男性型脱毛に効く医薬品は、これからもいろいろ出るでしょう。あきらめることはありませんよ」とエールを送る。 ◆薬か付け毛か よみがえった髪の毛も、薬をやめたら、また抜け始める。リアップは1本(1カ月分)5500円。30歳から20年間使い続けるとしたら、132万円かかる計算になる。発毛剤や育毛剤が効かない人には「付け毛」という手段もある。 アデランスによると、簡単な増毛は完成までに約10日。広い面積を覆う本格的なものは約1カ月。費用は面積によるが、十数万円から50万円台になる。3年から5年で作り替えるので、20年間では大まかにみて200万円前後かかりそうだ。 「成人男性の4人に1人は薄毛や脱毛に悩んでいる」と同社はいう。 ●そったらもてもて 宝塚造形芸術大の嶋本昭三教授(七三)=写真=は、自分のスキンヘッドを前衛芸術の素材にする。髪について聞いた。 ――ぼくは五十八歳の時に全部そりました。そのころ、てっぺんが寂しくなっててね。芸術の催しで、友人が「スキンヘッドに文字を書きたい」っていうから、思い切って全部、ね。そしたら、ウケるし、もてるし。米国女性に「セクシー・ヘッド」なんていわれました。以来、ずっとこの頭です。二日に一回、カミソリでそっています。じつに簡単。散髪代がかからないしね。なにより、心の重荷がとれたというか、精神的に楽になりました。君も、そってみたらどう? <男性型脱毛> 頭の脱毛は、甲状せんの異常、鉄欠乏性貧血、ストレス、栄養失調などで起きることがある。こうした場合は原因を取り除けば、たいてい髪が生えてくる。一方、病気もないのに、思春期以降に抜け始めるのが男性型脱毛。遺伝が関係しているといわれる。 * 次回のテーマは、食感です。 * 新聞休刊日のため、次回は13日(火曜)になります 【写真説明】 頭皮や髪の状態の確認が抜け毛対策の第一歩。毛の根元が大映しになっている。「頭皮を清潔にしたり、血行をよくしたりするだけで改善する人もいる」という=大阪市北区のアデランス相談室で 写真・上田潤 |
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